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偶然を味方にする表現方法とは?自分の限界を少しだけ広げてみる。

タイトルだけ見ると難しそうに感じるかも知れませんが、これは先日アップした手書き文字の記事を作っていて感じたことを文章にしてみたものです。

和紙に筆で文字を書くと、洋紙に書くのと違い滲みやカスレなどの偶然の産物が、必ず発生します

これはどんな場面でも多かれ少なかれ、起きることです。

私達はこの小さいブレや偶然の好ましい部分を受け取るためにはどうしたら良いのかを、ちょっと考えてみたいと思います。

デジタルの世界では、このゆらぎの表現は計算が複雑なのでAIなどにとっては、まだ多分難しい分野だと思います。

人間ならではの表現を身につけるヒントになればいいですよね。

書道、水彩画、アクションペインティング。

アートのカテゴリーで言うと書道、水彩画、などは、筆の意図的な運びに加え、紙に浸透する墨や絵の具の滲み具合であったり、かすれを利用して画面構成をします。

またポロックなどに代表されるアクションペインティングも絵の具を叩きつけるエネルギーや、振り子などを利用した物理法則で絵を描く試みですよね。

ただ、これは作者の意志が入っていないと、ただの自然現象やカオスです。

一方、ペン画や油絵などは、偶然の要素はあまり存在しません。こちらは偶然を極力廃した、技術主導の考え方です。写真撮影はどちらかと言うと、こちらに近いと思います。

できればこの二つをバランス良く組み合わせて、表現力を上げられたらいいと思いませんか?

たとえば、書道家が素晴らしい文字を書き上げられるのは、筆の扱いなどの様々な鍛錬、技術的な制御力が土台にあって、

更に道具の選び方、墨や水分の濃度、滲みをコントロールするメディウム、紙の特性などの知識があるからこそだと思います。

これらの高いレベルのバランスがあるから、簡単に真似できない領域に達しているんでしょう。

偶然できたものに意味を与えるのは作者である私たち。

技術的な要素と比べ、偶然にできたものに評価を下すのは難しいです。この感覚を鍛えるにはどうすればよいでしょうか。

なんか、上から目線で語ってるみたいになってますが(笑)、どちらかと言うと自分に足りていない事の洗い出しです。

これは言い換えるとセンス(審美眼・心眼)を磨くということ同じ意味だと思います。すぐに習得出来るものではありませんが、意識したいのは以下のようなことではないかと思います。

POINT

●自分が良いと思うもの、普遍的にいいと思われているものを徹底的に見て憶える。

●好きだと思ったものを味わい、言語化する(なぜ好きだと思ったか?)

●偶然にできたものを気に入っても、すぐに舞い上がらず一晩(できれば数日)ねかせる

●出来上がったものを内面から評価(虫の目)

●出来上がったものを、他人目線を想定し俯瞰して評価(鳥の目)

1番目の良いものをインプット。これは大前提ですね。

その他、中でも特に大事なのが言語化(理論で納得する)と一晩、できれば数日ねかせる(冷静になる)だと思います。

言語化はわかりやすいと思いますが、この一晩寝かせるは見落としがちです。

特に自分で「うまく行った!」と興奮するとアラが見えにくくなってしまいます。

夜中にアイデアが浮かんで、有頂天になっていたのに、朝起きてみたら大したアイデアじゃなかった。みたいな感じですね。

筆文字なども一旦落ち着いてから見ると修正箇所が見えることがあります。

デザインで使う場合、本格的な書道では無いのでデジタルで変形、編集してバランスを撮ると、良い結果になることが多いです。

写真撮影に「偶然要素」を取り入れる具体的な方法を考えてみる。

今後、この考えをブログで取り組んでいる撮影やライティングにも取り入れたいと思っています。

カメラでの撮影というジャンルは、油絵やペン画などと同様「技術主導」になりがちですが、意識して偶然の要素を取り入れることは可能だと思います。例えば…。

POINT

●水の反射(コースティクス)を利用する。

●木漏れ日や風になびく光沢物の反射光。

●ブラー。被写体の動き、手ブレ。意図的にシャッタースピードを遅くして、像を流す。

●古いレンズやフィルターのクセを利用。

などでしょうか。これらの自分で制御できない効果を使うことで、偶然の面白さを取り入れられたらと考えています。

先日ラップフィルムをクシャクシャにしたものを前に置いてライトを当てる実験をしてみたのですが、水面のゆらぎっぽい感じになります。

もうひと工夫という感じなので、うまく行ったら記事にしてみたいです。

まとめ

写真というと、狙った表現でカッチリ撮る方向に行きがちですが、「偶然の産物」も取り入れて自分の想像を少し超えた表現に挑戦するのもアリかなと思います。

「あれ?失敗かな」と思っても一度立ち止まって、よく観察するのは良いかも知れません。

AIの普及でデジタル技術がどんどん上がっていますが、だからこそアナログの良さも取り入れれば表現の幅が広がるのではないでしょうか?

カエル

カエルです。名前は「かんたんライティング」の頭文字Ka.L.からとりました。本業はグラフィックデザイナーで必要なときに商品写真やイメージ素材写真を撮ることがあります。カエルがデザイナー目線で調べたり工夫したり、試してみたいことなど写真撮影の小ネタを紹介できたらと思っています。アイデアが写真の完成度を上げられますように。

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