
今日はちょっと趣向を変えて、手書き文字の話題です。
PCでちょっとしたデザインなどをするときには、皆さんも普段はパソコンに入っているフォントで済ます場合が多いと思います。
でも和風のデザインの場合、筆文字みたいな手書き文字を使いたくなるときがありますよね。
最近ではフォントの種類も増えて手書きや筆字のものもたくさん出てきています。
フォントを買うほどではないとか、あたたかみを加えたいという時は自分で手書きしてみるのも面白いですよ。
ヘタ字も味のうち。一文字とか短い言葉くらいなら何とかなります。
実家にあった古い陶器を撮影

実家に帰省したときに、物置にあった古い陶器を撮影します。トレペでディフューズして黒いベニヤ板の上で撮りました。
片口(かたくち)というらしく、お酒や醤油などを取り分けるときに使っていたようです。
素朴な実用品という感じで、どこか愛嬌のある可愛らしい雰囲気です。

筆ペンと紙、書体字典を用意。

習字用の道具で文字を書くのも趣があっていいですが、今回は筆ペンと半紙でやってみることにします。
滲みがいらない場合はコピー用紙みたいな洋紙でもいいと思います。
合わせる写真は予め撮っておいた古い陶器です。これに器の一文字を合わせてみたいと思います。
GoogleのAIモードで調べてみたら器と言う字は複数の口(さい:神への供え物を入れるための器)を犬が見張っている様子を表しているそうです。
このへんからイメージを膨らませて行きます。また五體字類などの書道用の字典で中国や日本の書家の文字のバランスや筆の運びを調べておくと参考になります。
意外と今の筆順でなかったり、違う書き方をしているものもあります。毛筆書体はウェブ検索でも画像が出てきます。
アプリの字典も有るのですが、セキュリティー上あまり入れないほうがいいと言うのを聞いた事があるので注意が必要。


字典は伯母が買い替えて使わなくなったお下がり。ボロボロに使い込まれてます😁


たしかに「犬」という字ですね。右上の点は耳を表しているそうです。


筆の運びや形は篆書体が参考になりそうです。
実際に書いてみる。上手いヘタは気にしない。

グラフィックやパッケージデザインでは商業書道(デザイン書道)というジャンルがあって、達筆の専門家に書いてもらうことも多いです。
一般の書道と違って、特に決まりはなく自由な部分もあるので見た目重視(それが難しいというのもあるけど…)で、自分で気に入った手書き文字をいくつか書いてみましょう。
滲みなどの偶然がいい雰囲気を出してくれる場合があります。上手いヘタはとりあえず無視します。
また小さく書いて大きく引き伸ばして使うと文字のギザギザ感が強調されていい感じになることもあるので試す価値アリです。

時間を決めて、その中で良いと思うものを選ぶようにしないと、たぶん悩みます😁
無料のPhotopea(フォトピー)をつかって写真と合わせてみる

いくつか書いてみて、納得できるものをスマホなどで撮ってPCに送ります。
いつものデザインワークだとAdobeのイラストレーターやPhotoshopで作業するのですが、今日はウェブブラウザで使えるPhotopea(フォトピー)をつかってみます。
Photopeaの操作感は10年前くらいのPhotoshopみたいな感じの使い心地で、Photoshopを使ったことがある人ならたぶんすぐに慣れると思います。
やり方は簡単で取り込んだ筆文字の写真の背景を消去して、食器の写真の上に貼り付けるだけです。黒背景なので文字色を白に変更してバランスをとったら出来上がりです。


大満足という訳ではありませんが、なんとか見れるようになったかな。


明朝体フォントも悪くはないですが、ちょっと味気ない感じ。
切り口としては、ありがちですが犬の部分だけ活かして、口を手書きにする、またはその逆などアレンジすると手作り感がでるかもしれませんね。
手書き文字は、なかなかうまくならない。カエルがやっていた練習法

筆で文字を書くのって最初のうちはなかなかうまく行きません。しかもいつまで経っても納得行くものが書けないと思います。
これは上手い下手に関係なく、筆文字や書道の“あるある”だと思います。
カエルも、以前よりはマシになったなとは思いますが、うまく書けるようになったとは全く思えません。
それでも挫折せずに練習になったのは、ただ一つ。筆ペンをいつも近くに置いておくことでした。
オフィスでちょっとした空き時間にコピー用紙にひらがなやカタカナを書いたり、新聞やチラシの文字を参考にしてそのまま書いたりしてるうちに、文字の形や筆の運びのコツがなんとなく分かってくるようになりました。
これは気軽に手に取りやすい筆ペンと言うところがミソです。興味のある方はぜひやってみてください。オススメです。
道具に凝ってみるのも良い。
グラフィックデザインの仕事をしていると時々手書き文字や筆文字を書く場面が出てきます。
そういうときは上手い人に頼むのも一つの方法ですが、自分でも書けるように、そこそこの書道道具をそろえて形から入るのもありです。
高価なものも多いですが筆や硯は奥が深くて、面白いです。特に硯は中国製に良いものが多いようです。
それから、前の章でも少し触れましたが、五體字類などの字引(字典)もあると重宝します。
商業書道は自由と言っても文字には古くからの基本の構造があるので、そこはなるべく気を使ったほうがベターだと思います。
まとめ
今日の記事は写真とは全く関係ない記事でしたが、ビジュアルの構成やデザインとして文字は欠かせないものなので、ちょっとだけでもかじっておいて損はないと思います。
最近は本格的な筆文字フォントもたくさんあるので、文字数が多いときはそういったものも便利ですが、字数の少ないキャッチコピー程度なら、達筆なフォントより温かみが出ていい場合もあります。
カエルが筆字を自分で書くようになったきっかけは、今は他界した伯母の影響です。
土日休みにデザイン文字を書いてもらおうと頼みに行ったら「自分で書いてみなさい」とみっちり休日の2日間、特訓を受けました。懐かしい思い出です。
デジタルですがフォントなども見比べているうちに、きれいな書体とそこそこのものがわかるようになってきます。
筆文字だけでなく、アルファベットやドイツ文字なども西洋の筆記具、カリグラフィーペンで手描きした名残が残った書体も多いので、調べてみると面白いですよ。
筆ペンはいくつかのメーカーのを使ってみましたが、カエルはぺんてるの筆ペンをおすすめします。
初版が大正5年という100年以上前の書体字典。中古でもよければ安くで出回っていると思います。多分中身は同じです。


