フード系の商品写真やテーブルフォトを撮るとき、ドリンク類などに氷を使いたいことがあると思います。
そんなとき便利なのがフェイクアイス(ディスプレー氷、イミテーションアイス、ダミーアイス)です。
アクリルやそれに近い樹脂製のもので、形も値段もいろいろ、高いものは万単位の値段だったりします。
カエルは、そういった高級品は持っていませんが手持ちのものを紹介しながら、使い心地などをレポートしたいと思います。
そもそも、なぜフェイクアイスを使うのか?
フェイクアイスはライティングの仕込みにこだわりたいときに重宝します。
フェイクアイスなんか使わずに、本物の氷を使って撮影すれば良いんじゃないかと、つい思ってしまいますが。これは半分正しくて半分間違いです。
というのも、特にコマーシャル用(ECサイト等含む)の撮影の場合、ライティング(照明の仕込み)に意外と時間がかかるというのが一つ。
氷の入ったグラスも、もちろんライティングの対象になります。本物の氷だと照明を仕込んでるうちに、溶けて形が変わったりグラスが曇ったり水滴がついたりして、想定外の画になることもあります。(水滴は演出で付ける場合もあり)
たとえ撮影に実際の氷を使う予定でも、先にフェイクアイスでライティングを決めておいて、本番で本物に差し替えたほうが合理的です。
またフェイクアイスは、演出によっては本物の氷よりもクリアでリアリティのある雰囲気が出る場合もあります。他にもフェイクアイスを使う利点はありそうですが、大きな理由はこのあたりだと思います。
角氷(キューブアイス)タイプ
ネットで購入した、安価なキューブタイプのフェイクアイスいろいろ
角氷タイプのフェイクアイスはAmazonなどネットで探すと、割と簡単にヒットします。
かち割り氷タイプと比べると、やや使い勝手は限られますが、安価なものが多く手に入りやすいのが良い点。
氷自体の色味が微妙に青白い感じのものもあったりしますが、もともと格安なので、あまり神経質になるのもどうかと思います。
また氷のサイズがいくつかあり、カエルが今まで購入したものだと、グラスと氷の大きさのバランスがあまり良くなくて、積極的に使う気にならない感じのものもありました。
今回、記事用に3種類の大きさがセットになった商品を追加で買ってみたので、手持ちの物とあわせて比較してみようと思います。
市販されているサイズは主に4サイズ
ネットで見かける角氷タイプのフェイクアイスのサイズは、1.8センチ、2.5センチ、3センチ、3.5センチ角の4タイプが多いようです。
2センチ角というものもありましたが1.8センチとあまり変わらない気がしたので今回は省略します。
というのも、ショップによって測り方が曖昧な感じで、大きさをイメージしにくいからです。
以前2.5センチの角氷を買ったときに、届いた現物が思ったより小さくて、結局使わなかったことがありました。
角氷タイプは意外とサイズ感が難しい印象があります。
4種類のキューブアイスをグラスに入れてみる
各サイズの角氷をグラス(タンブラー)に入れてみました。ここで気になるのはグラスの大きさですが、使用したのは高さ10.5cm、縁の直径7cm、容量220mlのものです。
一般的なグラスのサイズがどのくらいなのかよくわからないですが、見た目は大きすぎず、小さすぎずといった感じだと思います。定食屋や喫茶店で、お冷が出てくるときのコップくらいの大きさだと思ってください。
角氷タイプはグラスの中で傾けたりなどのレイアウトの変化をつけにくいです。
本物の氷は水に浮くので水没はしません。水面よりも少しだけ飛び出す感じで使いましょう。
カエルの個人的な感想ですが、角氷タイプの使いやすいサイズは3センチ角ということになりました。
これはやはり家庭用の冷蔵庫の製氷機で、できる氷のサイズに近く、見慣れているのが大きいんじゃないでしょうか。グラスに入れたときに傾かせたり等のレイアウトの変化も割とつけやすく、使いやすいです。
その他のサイズでいうとやや大ぶり感はありますが、3.5センチは大きめのグラスのとき、2.5センチは小さめのグラスで使えると思います。
一方、1.8センチの角氷は、グラスに入れて使うというよりはワインクーラーのようなディスプレー用に向いている気がします。ただ、そういった使い方ならばクラッシュアイスタイプでも良いと思うのでちょっと微妙です。
ロックアイス(かち割り氷)タイプ
ロックアイスタイプのフェイクアイスも、ネット通販で購入可能です。ただ価格はそれなりにして5~6個入で4000円前後からだと思います。
1個だけでオンザロックに使えそうな大きめのものは、一つ数千円から高いものだと1万円以上して上を見るとキリがない感じ。
ネット通販でこまめにチェックしていると、お買い得なものが見つかったりします。細かいクラッシュアイス風のものは比較的安価で手に入ります。
カエルが持っているものは、そんな感じでちょっとずつ買い集めたものです。ただ実物の大きさは大まかな寸法しか情報がないので、通販だと届いてからサイズ感が合わなかったりと失敗も結構あります。
ロックアイスをグラスに入れてみる。まず小ぶりなロックアイス。
比較的大きいサイズと中サイズの差があまりはっきりしてませんね。4個入れてはみ出す分くらいの違いです。
小ぶりなサイズのロックアイスをグラスに入れて比べてみました。だいぶ前に買ったものなので、購入したショップで今は取り扱ってないものが多いです。
サイズ感も大まかに大中小とクラッシュアイスの4サイズといった感じです。ロックアイスは角氷と違って大きさの違うものを混ぜてもあまり違和感がなく便利に使えます。4センチ前後のものが使いやすい印象です。
大きなロックアイス
同じグラスじゃなくてわかりにくいですが、右のフェイクアイスのほうが一回り大きく、一般的なロックグラスに入らない。
大きなロックアイスはウイスキーなどのオン・ザ・ロックの撮影などで使います。
これも購入してから、だいぶ経つのでよく覚えていませんが、中サイズと大サイズの2種類だったと思います。
個人的な感想ですが、写真の2つのロックグラスはサイズ的にはよくあるタイプだと思います。しかし大きい方のロックアイスはグラスに収まらないことが多く、ほとんど使用していません。
このタイプのフェイクアイスは、安いものでも1個数千円以上するので、ネットで購入する時は、サイズを良く確認しないと、カエルのように失敗するので注意しましょう。
本当は実物を確認するのが一番なんですけどね。小ぶりなものを先に買って確認するのは、良い買い方かもしれません。
オン・ザ・ロックでやりがちな失敗
オン・ザ・ロックの撮影で失敗しやすいのは、氷の表面に水滴を付けてしまうこと。特に大きく扱うとき、意外と目立ちます。実際の氷ではありえないので注意。炭酸水を使う時も、氷に飛沫がかかる事があるので、気をつけた方が良いです。
うっかり、やってしまいがち。フェイクアイスだとバレバレです。
購入の際の注意点
カエルが購入したフェイクアイスは主にネット通販ですが、一部、だいぶ前にセットショップ(現在の銀一スタジオショップ)で買ったものもあります。
都会だと足を運べば実物を確認できるのは羨ましいです。合羽橋の食品サンプルにも質の良いものがありそう。
一方、ネット通販でフェイクアイスを購入する際は、ある程度の失敗は覚悟しておいたほうがいいです。形がはっきりと決まっているものではないので、出品者さんの測った外寸には結構誤差が出るみたいです。
さらに使いたいグラスと合わせると微妙にサイズが合わないことも、たまに出てくると思います。
そういう時は、グラスの方をフェイクアイスに合わせたりといった工夫が必要になります。またはテスト用のダミーに使って、本番を本物の氷で撮影するなどでもいいかもしれません。
またフェイクアイスを販売するショップの中には、突然扱いをやめたり、ショップ自体が閉店したりする場合もあるので、安いものがあったら即買っておいたほうが良いときも…。
カエルの手持ちのフェイクアイスも、現在ショップ自体無くなってたりします。
カラフルな色付きのものもありますが、物撮り用だと後で使い道に困りそうなので、おすすめしません。
まとめ。
長々とした記事になってしまいましたが、ぶっちゃけて言うと、オススメの揃え方は、コンビニやスーパーに袋入りで売っているロックアイスくらいの大きさ(直径:約4cm前後)のフェイクアイスが少量あると、料理などの撮影をするとき便利ですよ、というお話でした。
このタイプのロックアイスはグラスを選ばずに使えることが多いので万能感があります。
その他のフェイクアイスは、必要なときに揃えたり、間に合わなければ、実物の氷を使っても、なんとかなると思います。購入の時の参考になれば、うれしいです。