白っぽい背景で透明のグラスを撮る時、普通の商品撮影のようにトレペやユポなどのディフューザーを使うと、なんとなくボンヤリした画になってしまいがちです。
自然光で撮ったような雰囲気でグラス一個、小道具無しで画面を持たせるにはどうしたら良いか考えてみます。
さすがに無地の白バックでは持たないので背景紙を選ぶ
白っぽい背景と言ってもシーン風の雰囲気を出すには無地の白背景ではさすがにキビシイので、以前リフォームをした同僚から、ご厚意で頂いた壁紙を使うことにしました。
天板はコンクリート風の壁紙、背景の壁には少しアイボリーがかった和紙風の壁紙を使います。
今回はいつものトレペやユポなどのディフューザーは使いません
トレペやユポなどのディフューザーをつかってライティングすると光が回りすぎて、どうしてもボンヤリとした感じの画に仕上がってしまうので、今回はリフレクターを付けた状態のナマの光でライティングします。
カエルは商品撮影がほとんどで普段はこういったライティングはやらないので、ちょっと勝手が違いどのくらいの強さで当てたら良いのか迷いました。
ただメインのモチーフがロックグラスなので、グラス付近が一番明るくなるように心がけた感じです。
なんかフツーです。
のっぺり感が気になったのでクッキーを入れてみる
基本のライティングはだいたい決まってきたのですが、上の写真ではのっぺりしてメリハリがないので、以前作った自作クッキーを入れてみました。
天板の表面に明暗ができてちょっと奥行きが出てきました。更にテクスチャー感を出したくなってきたので100円ショップで買った造花も使いました。
ちょっと雰囲気出てきました。クッキー、いい仕事してくれます。
ヤシの葉みたいなのがあったら良かったんですが、とりあえずコレで
だいぶサマになってきた感じ
背景にも少し模様を…スヌートも使ってみる
背景にも少し模様をつけたくなったので、試しに以前購入したコニカルスヌートも追加しました。とりあえず実験なので、今考えられる照明機材、総動員です。
スヌートには雲模様風のゴボを入れてみました。さらに木漏れ日っぽいライティングになって来た気が…。
やはり白っぽい背景で画面を持たせるには、背景に濃淡を入れるのは効果的だと思います。
撮影後に思ったのですがスヌートはグラスのエッジライトに使っても良かったかもです。
白背景に透明のモチーフだとライトを直で当ててもメリハリは、いまいち。ライトルームでコントラストを付けてみる。
ライト直当てなので、いつもの撮影と比べてかなりメリハリはついているはずなのですが、パソコン上で見るとまだまだコントラストが足りてない感じです。
ここは最後の手段、ライトルームの力を借りて、画像をいじることにします。
撮影した元データはハイライト部分が白く飛ばないように少しアンダー気味に撮影してあります。
後処理でいじる予定の元データは、露出オーバーで白い部分が大量にあると、後々画像の調整がとても難しくなります。
撮影時には、カメラのヒストグラムを見ながら、まっ白の部分がピンポイントのハイライト以外で、できていないかよく確認しておいたほうが良いです。
ライトルームは元の画像に影響がないので思いっきりいじってOK
ライトルームの操作に関してカエルはそれほど精通しているわけではないですが、割と感覚的に見た目で操作しても大丈夫だと思います。
というのもライトルームでの画像調整は非破壊なので元のデータに全く影響がないからです。いつでももとに戻せるので思い切っていじれます。
スライダーを操作して結果を確認しながらイメージに近い絵柄まで持っていきます。
いろんなスライダーをいじりましたが、主に彩度調整と、かすみの除去の項目をいじったらかなり雰囲気が変わってくっきりした印象になりました。
今回はちょっとやりすぎか?くらいに色調を変えてみました。
まとめ
今回はいつもはやらないイメージ風のテーブルフォトを撮ってみました。
カエルは仕事ではほとんど商品写真ばかり撮っているので、かなり苦戦しましたが、たまにはこういうライティングにも挑戦してみるべきだなと改めて感じました。
ちょっと気になったのは、カエルの場合は、普段ライトルームやフォトショップを使うときは微調整に使うくらいで、今回の様に大きく画像をいじることは、ほぼありません。
できれば元データの時点でイメージに近い画作りができているのがベターだと感じました。
今回はそこまで追い込めなかったと言うことになります。やはり写真撮影やライティングは奥が深いです。