
結構気を付けているつもりでも、読みが甘くて撮影に失敗することは、誰にでも経験があると思います。
またクライアントがいる仕事だと現場ではOKでも後で再撮影になることも広告写真ではあるあるですよね。
今日はそんなトラブルをAIで回避できるかの実験です。
撮影に失敗したビール写真を、AI(Gemini)はどこまで救済できるのか?を検証してみました。
実験台はライティングに失敗した上に、泡の形がイマイチのビールカット

これは、以前自作の透過光用撮影台を使ってドリンクの写真を撮る検証記事のときの写真です。
一目見て「あぁー、やっちゃいましたね」って感じの一枚です。
一発目に撮ったとき、ビールの泡が光を透過しないことに気づかず失敗。これは厚い雲が暗いグレーになるのと同じ原理。
2年ほど前の記事で失敗例として紹介したものです。泡の影の部分が暗く落ちている上に、泡の盛り具合も今ひとつです。
後でライトの位置などを変更し、レフで影を起こして撮り直しました。それがコレ。


泡の盛り上がりと白さ、若干の悔いが残ります。
泡はだいぶ白く表現できましたが、泡の盛り具合はまたもやイマイチです。ビールの撮影って思ったよりシビアですよね。泡はすぐに消えるし、ビールの量の調節もムズいので、そもそもワンオペではやらないほうが良い撮影かもしれません。
ということで、AIに「救済」を依頼してみる。
ここからが今日の本題です。この失敗写真を生成AI (今回はGemini)に救済してもらうことにします。
大失敗写真の救済
まずは一枚目の、泡が黒ずんでしまった写真のほうから。 「この泡を白く、美味しそうにして。泡の盛り具合も、もっとおいしそうに。」とテキストで指示を出してアップロード。
で、待つことわずか2秒ほど。出てきたのがこの画像です。

すごくないですか?グラスの形状や中にの色は維持したまま、泡の部分だけがいい感じの白さと高さに差し替わっています。
よく見るとビールの中に細かい気泡が追加されてるような‥。
これは、大満足の仕上がりですね。
ちょっと欲を出してライティングで修正した方の写真もレタッチ(再生成)してもらう。
なんかうまく行ったら、ちょっと欲が出てきました。過去に撮り直した方も修正してもらうことにします。
泡を更に盛ってグラスから少しこぼれ落ちそうになってる感じにしてみたいと思います。

撮り直した方のビールを送ります。泡をもっと白く(白飛び注意)泡の盛り上がりを多くして少しグラスから漏れ出すくらいに増やしてください

これはちょっと溢れすぎかな。減らしてもらいましょう。

泡こぼれ過ぎなので、ほんの少し漏れ出す程度でお願いします。

おっ、いい感じじゃないですか。

ありがとうございます。いい感じです。
プロンプトのみの修正なので細かいニュアンスが伝わらない部分もあったみたいですが、ほぼ希望通りの画を出力してくれました。
一発出力としては申し分ない出来だと思います。
もう少し追い込みたいときは希望の泡のサンプル写真をつけたり、プロンプトを細かく分ければ、クオリティがさらに上がる可能性大です。
AIでのレタッチ(再生成)はすでに実用レベル。
レタッチを試した結果、今回のような商品写真や、シズルカットのようなレタッチでは、すでに実用レベルに来ていると言っていいと思います。
個人的には実写8割、AIレタッチ2割位が許容範囲な気がしてます。
今やPhotoshopなどのツールも積極的にAI機能を導入しています。 これから問われてくるのは、技術的な精度というよりも「使う側の倫理観」と「罪悪感」ではないでしょうか。
個人的には今回の修正程度ならば、あまり罪悪感もないし、多分社会通念的にも許容される範囲だと思います。(自力でも時間をかければ、撮影でなんとかなりそうなくらい?)
「実物で撮っていないじゃないか」という声もあるかもしれません。 しかし、冷静に考えてみれば、フード撮影の世界では昔から「溶けないアイス(アクリル)」や「湯気の合成」「代用素材」といったテクニックが使われてきました。今回のAI修正も、クライアントが求める「美味しそうなイメージ」をビジュアルにするための手段だと考えれば、社会的な許容範囲内と言える気がします。
まとめ。2026年は「向き合い方」の年?
2025年は、生成AIが解像度や質感の面で「本当の意味で実用レベル」になった年でした。 そして2026年は、私たちクリエイターが「それをどう扱うか」を試される年になりそうです。
皆さん大分AIへの見方が変わってきていることと思います。解像度や質感、原型の維持に関してはほぼ実用レベルに近づいています。
この記事を書いているまさに最中に、商品撮影とレタッチの依頼があり、スタンプツールでちまちまとレタッチをしてきました。
リアルな話をすると、表面のザラツキを残したりといった、「たぶんAIだとガッツリ、ツルツルに修正するだろうな」みたいな細かい手作業のメリットはまたまだあると思います。
現状は、要は「使い分け」の段階なのかもしれません。実写、レタッチ、更に突っ込んだ生成をどう扱うか、これからの課題ですね。
これが今回サンプル写真を使った記事です。
浮遊感のある白バック写真を撮りたくて作ってみた透過光用の撮影台です。



