
このブログでは度々、ボトルの撮影方法についての記事をアップしています。
モチーフとして手頃というのもあるのですが、ボトル撮影には商品撮影のテクニックの要素がバランス良く入っているというのが大きいです。
例えて言うなら書道の永字八法のようなもので、ボトルをうまく撮れるようになると、大抵の商品写真やテーブルフォトは卒なく撮れるようになると思います。
一発撮りの簡単な方法は以前紹介したので、今日は2カットに撮り分けて、Photoshopの後処理で仕上げる方法を試してみたいと思います。再現性のある現場で役立つ実践的なテクニックです。
セッティングの方法
基本のセッティングは以前紹介した簡単なボトルの撮り方とほぼ同じなので詳しいセットの仕方が知りたい方はそちらも参考にしてください。
前回と違うのはボトルの形にくり抜いたボードを使ってバックライトをボトル型にマスクするところくらいです。
こちらも以前ストロボ1灯でボトル撮影をする記事ですでに試していますので良かったら覗いてください。なので今日の記事は、前にやった2つの記事の合体版的なものです。
手順1:ボトル型のマスクを作っておく

まず、ボードでボトル型のマスクを作ります。白いボードだと光を反射して変な映り込みができるので黒ボードにしてください。
今回は日本酒の4合ビンを使います。瓶の大きさよりも若干小さめのボトル型の穴を開けます。
これをやるのは2回目なのですがだいたい実サイズの8割くらいの大きさがいいと思います。
手順2:ライトをセットします。

今日は2灯のモノブロックストロボを使用します。ハイライトを均質に当てたいのでトレペ(ユポ)を前に置き、その後ろからストリップ(縦長)タイプのソフトボックスをセットしました。
LEDライトでも基本セッティングは同じですが、環境光を拾いやすくなりがちなので、ちょっと苦労するかも知れません。


写真はマスクをセットした状態です。ホントは裏面も黒にしたいところ。
バックライトはハニカムグリッドで光の当たり具合を調整し、乳白アクリル板に自然なグラデができるようにしました。とりあえずテストのためにマスクのありなしを撮ってみます。
まず2灯同時発光のマスク無しとアリを撮ってみた

まずマスクなしのカットです。このままでも悪くはないんですが、ボトルの輪郭に沿って、白茶けたグラデーションが入っているのが確認できると思います。切り抜きの白バックなどで使うときにはあまり気にならない程度ですが、暗めのバックで使うと目立つと思います。


拡大するとわかりやすいです。

次にボトル型のマスクをセットした写真。乳白アクリル板の明るい部分がだいぶ抑えられ、輪郭のハレーションがだいぶ目立たなくなっています。でも完璧になくなったわけではありません。


アクリル板の光の漏れをを処理しなかったので、変なラインが入っています。これが無ければ、このままでも意外といいのか?
正面のストロボとバックライト用のストロボを別々に撮る

それでは今日の本題、正面のライティングとバックライトを別々に撮り、合成用のカットを用意することにしましょう。
ここで注意しなければならないのは、合成用のカットは純粋に正面用のライティング、バックライトのライティングにしておくことです。
具体的に言うと、例えばバックライトの写真を撮るときには、ボトルの両サイドを黒いボードなどで囲い、漏れたバックライトの光でセッティングしたトレペや部屋の壁などの映り込みをシャットアウトします。
実は事務所の引っ越しで撮影できる部屋が極端に狭くなったので、映り込みの危険が前よりも高くなっているので注意が必要になりました。
同じく正面からのライティングのときも背景を黒にして、白いアクリル板の映り込みをなくして撮影しています。

使わない方のライトは完全に切り、背景や映り込みを真っ黒(暗幕など)にしましょう。
正面のライティング(別撮り)


このカット、壁の白が映り込んでしまってるのですが、ラベルの右側のレフがわりになっていたのでこちらを採用しました。
バックからの透過光カット(別撮り)


アクリル板の映り込みはうまくカットできているようです。
背景から光は漏れていすはずなのにボトルのエッジへの影響が少ないのが面白いところです。
撮影した2カットをレイヤー化してスクリーンモードで合成。

前章で撮影した2カットをPhotoshopでレイヤー化してスクリーンモードで合成しました。
明度や色の調整は若干しましたが、写り込んだ部分を塗りつぶしたりなどのレタッチは全くしていません。
いかがでしょうか。輪郭の白茶けたグラデは全くと言っていいほど無くなりました。これならばそのまま切り抜き写真として使用しても問題ないレベルだと思います


拡大してみました。ほぼ問題なしです。
バックライトの明るさやグラデの入り方はもう少し微調整したほうがいいかも知れません。
このへんは人によって好みもあるので、実際の撮影現場で対応すればいいと思います。
まとめ
今回はカット分けしてボトルの商品写真を撮ってみました。
通常切り抜き用の写真を撮るときは黒ケント紙などで輪郭の黒締めをすることが多いと思います。
実際カエルもこういった撮影の場合ミリ単位で黒ケントを離したり近づけたりして撮ることも多いです。
今回のような撮影でバックライトのマスクのデータを取っておけば煩わしい撮影が少し楽になるんじゃないでしょうか。
ボトルの形は共通のものも多いのでマスク用の黒ボードは使いまわしできると思います。
プロのカメラマンの方などはもっと効率的な撮影ノウハウをもっているかも知れませんが、なかなか表に出る機会は少ないですよね。このアイデアが何かの参考になれば嬉しいです。



