
2025年も残すところあとわずか。皆さん、お正月休みはゆっくりされていますか? 私は実家でのんびり過ごしています。
さて、今日はちょっとした「大人の暇つぶし」企画です。久しぶりに、絵の練習をしてみようかと思います。
普段PCで仕事をしていると、日常的に手で絵を描く機会って本当に減りますよね。私も、打ち合わせ用のラフ画でさえデジタルで済ませることが増え、お絵かきもご無沙汰しています。
仕事柄、多少ラフやコンテを作る機会はありますが、絵を描くことを仕事にしている人たちとは質も量も全然違います。
そこで、この年末年始の空き時間を使って、少しでも楽しく手を動かせる練習方法はないかと考えてみました。
以前試した「ラフスケッチからの画像生成」をさらにアレンジした、アナログな観察眼と最新のAI技術を組み合わせたトレーニングです。
前にやったラフスケッチの記事と似た感じですが少しアレンジ。
こんな手順でやってみます 今回の実験は、ただ絵を描くだけではありません。自分の「目」とAIの「目」を比べる実験も兼ねています。
1:描くものを決める: 身近にあるものをモチーフにします。(このとき同時にモチーフの写真を撮っておく。)
2:実物を見て描く(スケッチ)。 写真を見ずに、実物を観察してスケッチします。
3:AIで写真化。 描いたスケッチだけをGeminiに渡し、「これをリアルな写真にして」と頼みます。
4:実物と比較。あらかじめ撮っておいた写真と生成画像を見比べ違いを確認する。
5:AIでお手本作成。 スケッチと実物写真を両方渡し、「プロ風のイラストにして」と頼んでみます。
これなら、絵の上達にも役立つし、AIがどんな線をどう解釈するのかも探れて一石二鳥ですよね。 では、早速やってみましょう!
【題材の準備】こたつの上のミカンを描いてみる

最初から難しいものだと挫折しそうなので、実家の庭にあったミカンと葉っぱをチョイス。
こたつの上にバランスよく配置してみます。ただ並べるだけでも、なかなか良い構図の練習になります。
先にスケッチ予定の画角に合わせてカメラで写真をとっておきます。


先にモチーフの写真を撮っておきます。
iPadのアプリでスケッチする。

こたつの上の実物を見ながら、iPadのアプリでスケッチしていきます。 久しぶりのお絵描きです。
画面がツルツル滑って描きにくいですが、デジタルならではの「やり直し機能」があるので便利です(笑)。 慣れてきたら、紙のスケッチブックに水彩絵の具で描くのも楽しそうですね。
そうして描き上がった、私の渾身の?ラフスケッチがこちらです。


良く言えば味がある…と言えなくもない(笑)。アプリはTayasui Sketches、水彩のブラシで描いてみました。
スケッチした絵をGeminiに渡して実写化してもらいます。


上がスケッチをもとにGeminiが生成してくれた画像


これがこたつの上のミカンの写真、ソックリといっていいレベル。
出来上がったスケッチをGeminiにアップロードして、スケッチしたラフを参考にしてフォトリアルな画像を生成してもらいます。
背景紙だけは迷うといけないので『マットな白いプラスチックシート』とだけ伝えました。
結果は予想以上にリアルに再現してくれたので驚いています。
ミカンの枝ぶりや葉っぱの虫食いの様子までリアルに表現してくれていてパット見には最初に撮った写真とほぼ変わらない感じに見えます。
前の記事でもそうでしたが、GeminiAIの理解力には感心させられます。
並べてみると、AIが生成した画像は、形はスケッチを完璧にトレースしつつ、リアルに生成してくれているのが分かります。
脳内イメージ(スケッチ)から出来た画像と現実(写真)を見比べることで「AIの解釈」との違いを確認できます。かなり面白い体験。
同時にデッサンの狂いでどんな影響が出るのかもわかります。
最後にスケッチした絵と最初に撮ったモチーフの写真を渡してプロ級の絵を生成してもらう。


予想はしてましたが詳細で狂いのない絵になってますね。
最後に自分で描いたスケッチと最初に撮った画題の写真の両方Geminiに渡して、プロの画家が描いたような水彩画を出力してもらいました。さすがの出来栄えです。
AIのイラストはとてもアカデミックタッチで緻密で素敵ですが、人(ディレクター)目線でいうと適度な抜きどころがあった方がより良い感じになりそうです。
ということで、もう一つ淡彩画風のも出力してもらいました。ん…?こちらはなんだか僕の描いたスケッチを参考にして作ったみたいです。


気を遣ってくれたのかな😁?
ある意味光栄ですが(笑)もうちょっとプロっぽくなるのではと期待していたので…。
これはプロンプトの工夫が必要か、あるいはスケッチは見せずに簡略化した淡彩画を描いてと指示したほうが良かったかもしれません。
これは自分で手を入れて修正したり新たにプロンプトを追加すれば解決するかも。
それより何より、自分でも描けるようになれば、最高なんですけどね。
まとめ
いかがでしたか、全行程でも1時間くらいでできる贅沢な暇つぶし(絵の練習)でした。
独学で絵を練習するときって、同じモチーフを他の人がどう表現するか見ることが出来ません。
絵画教室などで同じモチーフを描いたいろんな人の表現を見て勉強するのと似たような効果が得られるんじゃないかと思います。
カエルとしてはAIにうまく絵を描かせるだけじゃなくて、自分自身の絵も上達することが大事じゃないかなと思っています。
どうせAIを使うのなら自分の血肉になる使い方をしたいですよね。

