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明るいバイカラーLEDライト、NANLITE FS-300B。350Wのライトを使うメリット。

モノブロックタイプのLEDライトを1つ追加購入しました。カエルは今までに60Wから100Wあたりの4灯のLEDライトを買っています。

主に商品撮影での用途ですが、特に問題なく使えているし納品もできています。とは言え、使っているうちに若干、不満なところが出てきて今回の購入となりました。

同じような不満や悩みを持っている方もいらっしゃると思い、そのへんの理由も含め今回はこの350WのLEDライトの使い勝手をレポートしてみたいと思います。

結論から言えば、このライト、スチールはもちろん動画用のライトとして優秀です。

NANLITE FS300Bの外観と同梱物

カエル
カエル

同梱物はシンプルにこれだけ、あと交換用のヒューズが2個ついてました。わずらわしいACアダプターが無いのは好印象。ボーエンズマウントで汎用性も高い。

本体は今まで購入したモノブロックタイプのLEDライトの中で一番大きいサイズで本体のみの重量が3.03kg(スペック値)ということでちょっと重たいです。

しかし普通にスタンドに取り付けて使用するのには特に苦労することもなく普通に使えます。

多少重くなったと考えがちですが、アームなどに取り付けて使用するときはかなり負荷がかかるので注意が必要になりそうです。

意外に使いやすいのは、ACアダプターが別途必要ないことです。

現在使用中のApture Amaran100xやSokani X60rgbは本体の他に大きめのACアダプターが付属しますが、このFS300Bはアダプターが本体に内蔵されているようで、電源コード1本で点灯するので逆に取り回しは楽だと思います。

ACアダプターが別だとスタンドなどにぶら下げたりして使わなくてはなりません。コードも太めなので慌ただしい現場などで使うときは地味にありがたいかも。

ライトを移動したり高さを調整するときなど、少々雑に扱っても大丈夫そうなので、取り回しに関してはFS300Bの方が若干上かもしれません。

このライトを買ったいくつかの理由。

日中、部屋が真っ暗にならないのが気になっていた。

カエルの仕事場では日中、室内で撮影ライティングする時に部屋を真っ暗にできません。

多少離れてはいますが同じフロアで数名が作業しているので蛍光灯を全部消せないし、消したとしてもブラインドの隙間から外光が漏れてくるので、室内は常に自由に動けるくらいの明るさがあります。

今までのLEDライトの明るさだとセッティングやカメラの設定を工夫しても地明かりを拾うのではという心配が常にありました。

仕上がりの発色が濁っているのではないかと気になってくるとなんとなく撮影した画に自信が持てなくなる感じ。

実際のところ、どれくらいの影響があるのかはよくわかりませんが、精神衛生上あまり良くないです。

カエル
カエル

右の100WとくらべるとLED発光部分がかなり大きいですが、その分重量も大きくなってる感じ。

ソフトボックスをつけた状態で快適に撮影したい

LEDライトにソフトボックスなどのアクセサリーやディフューザーなどをつけるとどうしても光量が落ちてしまいます。

光量が落ちれば当然露光時間が長くなり環境光も拾いやすくなっていきます。

特にグラスやボトルなどを撮影するときはどうしてもソフトボックスを使いたい場面が出てくるので、出力が350Wあれば光量不足がかなり改善するのではと期待しています。

カエル
カエル

今まではソフトボックス使用時はほとんどストロボで撮影していましたが、LEDも使えるとおもしろそう。

なにかと基準になるシャッタースピード1/60秒

スチール撮影の場合、カメラにあまり慣れていない人でも安心して手持ち撮影できるのはシャッタースピード1/60秒くらいからだと思います。

三脚無しでも気軽に撮れるのはありがたいです。またビデオ撮影で、60pで撮影する場合も1/60秒が基本になります。

さらに秒間24コマのシネマティックなビデオを撮る際にもフィルムムービーの雰囲気を出すためには、1/50秒くらいのシャッタースピードが必要になってきます。

適正な露出で1/60秒が確保できれば、例えば動画とスチールを同時に撮影するときなど、色んな場面で使い勝手が良くなりそうです。

ライトから1メートル(光源からは1.4m)の位置で明るさを計測してみる

NANLITE FS300Bを100%で発光させ、1メートル離れた距離でどれくらいの明るさが確保できるのか露出計で測ってみることにします。

今回使用したソフトボックスの奥行きは40cmあるので、正確にはソフトボックス・フラッグのディフューズ面から1メートルということで、実際のLED発光部分と被写体(ポロシャツ)との距離は1.4メートルになります。

この条件で昼間の室内の地明かりで商品撮影したときに環境光を無視できるくらいの明るさがあるとベストです。

今回のテストでは画質も考慮してISO100、シャッタースピード1/60秒に固定して検証してみようと思います。

ライトのセッティングはこんな感じ

直当て(ベアバルブ)で計測(光源から1.4メートル)

カエル
カエル

直射日光のような、いわゆる硬い照明です。

ユポ(トレペ)フラッグ1枚越しで計測

カエル
カエル

影は柔らかくなりましたが、光量は落ちます。色温度も若干下がりました。

100x100cmのソフトボックスで計測

カエル
カエル

3つの中では一番やわらかいライト。色温度はかなり下がってしまった。

最後のソフトボックスで撮った写真は、ストロボでソフトボックスを使って商品撮影するときディフューザー前面から1メートルくらいで撮影することが多いので、ほぼ同じ条件で比較することができそうです。

400Wのストロボ使用で、80%位の光量で発光したとき、ソフトボックスをつけてF10からF11くらいまで絞れます。

FS300Bは瞬間的な光量ではストロボにはかないませんが1/60秒でF3.6くらいならば薄暗い室内なら地明かりの影響をあまり受けずに撮影できそうです。

動画撮影についても人物のウエストショットぐらいまでなら余裕を持ってライティング可能な感じでしょうか。

ISO感度はもう少し上げても大丈夫だと思うので、ある程度の自由度はありそうです。

ソフトボックスを使うときは熱に注意

FS300Bは今まで使っていた100WまでのLEDに比べ発光部や本体がかなり熱くなります。白熱電球ほどではありませんが、蛍光灯に近いくらいには熱を持つ印象です。

今回使用したエリンクロームのソフトボックスでは問題ありませんでしたが、熱対策がしっかりしたものを使ったほうが良いと思いました。

ここまで明るい照明を素手でも扱えること自体すごいことなんですけど、メーカーから純正のものが出ているようなので、専用のものを使うと安心かもしれません。

まとめ

今回のLEDライト、たぶんこのブログをやっていなかったら買っていなかったと思います。59,400円という価格なので、ちょっと購入を迷いましたが、買ってよかったと思えるものでした。

というか、他メーカーの似たようなスペックのLEDライトは15万円前後なのでFS-300Bは突出して低価格ということになります。これだけ明るいライトが手を出しやすい価格なのは貴重だと思います。

FS-300Bをメインのライトにして今まで購入したライトをうまく使っていけば、撮影やライティングの幅がかなり広がりそうです。

スチールはもちろんですが動画撮影で十分に使えます。バイカラーなので日中、外光と色を合わせたりするときにも重宝すると思います。

ただし動画での作り込んだ室内シーン撮影になると、どうしても広い画角や奥行きが必要になり、これ1本だけでは作れる画は限定されます(特に明るい室内を表現するとき)。

背景部分のライトも仕込まなけれがならない場面も出てくるはずなので、ライトを増やすか、さらに明るいライトが複数ないと、当然ですが思い通りのライティングは難しいでしょう。

FS300Bは感覚的には500Wから1KWくらいのHMIっぽい印象です。

このライトのメリットとして、HMIのようなバラストが必要ないので、コード一本でセッティングできるし、家庭用の電源で複数使用しても350Wなら、ブレーカーが落ちる心配も少ないので、工夫次第では個人レベルでも、かなり凝ったライティングができると思います。

これ以上明るいライトだと消費電力も上がり、さすがに一般家庭用の電源だけでの運用はキビシイと思うので別に電源が必要になりそうな気がします。

多分機材の金額も一気にハネ上がるでしょう。そういった意味でもFS300Bはプライベートや個人事業で使うにはコスパ最高のライトだと思います。

カエル

カエルです。名前は「かんたんライティング」の頭文字Ka.L.からとりました。本業はグラフィックデザイナーで必要なときに商品写真やイメージ素材写真を撮ることがあります。カエルがデザイナー目線で調べたり工夫したり、試してみたいことなど写真撮影の小ネタを紹介できたらと思っています。アイデアが写真の完成度を上げられますように。

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