カメラを初めたばかりで一眼やマイクロフォーサーズを使っている方の多くはダブルズームなどのキットレンズかそれに近いレンズを使っていると思います。自分もそうでした。
APS-Cからフルサイズの一眼に切り替えたときも、やはり24-70mmと70-200mmの仕事用のレンズ2本からのスタートで仕事を受けて撮っていくうちに次のレンズが欲しくなったというか必要になった感じです。
撮影するものやスタイルで必要なレンズは変わってくると思いますが今日は商品撮影をする方向けの買い足しレンズの話をしたいと思います。
マクロレンズ買ったきっかけは寄りのカットが必要だったから。
もったいつけて話すような内容でもないので、結論から言うとアップのカットが撮りたかったからです。
カエルは商品カットを撮ることが多いので、大小いろんな物撮りをしますが、特に小さい商品を撮るときに、手持ちの2本のズームでは最短撮影距離が稼げず、画面いっぱい使って商品が撮れませんでした。
F値2.8の標準と望遠のズームレンズが2本あれば大抵のものは撮れるとよく言われますよね。確かに間違いではないと思いますが、これは誤算でした。
レンズの種類にもよりますがデジタル一眼レフで小さめのものを撮るときズームを使って商品をアップにするとピントが合わなくなります。これではせっかくの高解像度を使い切れていませんよね。
さらに困るのが部分カットを撮るときです。商品説明用に例えばタグとか金具、ボトルのキャップ部分、ラベルのアップなどの細かい部分撮影の指定があることがあります。
こうなるとお手上げです。ズームレンズだとトリミングしてごまかすくらいしか手はないです。
そんなわけでカエルはマクロを買い足すことになりました。仕事以外でも、休日に花や昆虫を撮ったり、マクロレンズはF2.8くらいあってボケも期待できるレンズなので一本あると便利に使えるのでオススメです。
次の章では、このブログなりに独断と偏見で焦点距離ごとのレンズの特徴や使い勝手を説明していきたいと思います。
標準マクロレンズは手持ち撮影が多い人にオススメ
マイクロフォーサーズの30ミリマクロレンズです。画角的にはフルサイズ換算で60ミリ相当です。
50ミリから60ミリくらいのを標準マクロと言うようですが、コンパクトなものが多く機動性がいいレンズです。望遠レンズみたいに画角が大きくぶれないので手持ちで花を撮ったりするのには最適だと思います。
商品撮影で使うと、ややパースがつきやすくなるのが気になりますが、撮れないことはないでしょう。ボトルなどを撮ると瓶の底やキャップの上部のアールがきつくなるのと中央部がやや膨らんで見えるかもしれません。部分アップなどは全く問題ないと思います。
標準マクロは価格もこなれているものが多くて買いやすいのもメリットです。カエルが初めてAPS-Cのカメラを買ったときに買い足したのが当時一番安かったSIGMAの50ミリのマクロレンズでしたが、思いっきりクローズアップにできるのとキットレンズにはないボケの綺麗さに感動したのを憶えています。
その頃は商品撮影はしていなかったので50ミリ(70ミリ相当)で十分でした。レンズ自体も小さくて軽いので気軽さもあります。
アングルを合わせ、撮影の設定も、ISO200・F5.6・1/40秒・WB4600にそろえて各レンズで撮っていくことにします。撮影後の明るさや色の調整もなしです。。
鉛筆と背景のインクボトルの距離は最短部分(手前の黄色)で約20センチあります。標準レンズなのでそれなりに遠近感があるのとボケも形がわかるくらいの感じ。
物撮りメインでライティングに凝るならおすすめは望遠マクロ。
150ミリあると被写体との距離がかなりとれるのでライティングがしやすくなります。望遠レンズなのでちょっと長めで重く、機動性は落ちます。
150ミリから200ミリくらいまでの望遠レンズ寄りのマクロレンズ。カエルが使っているのはSIGMAの150ミリです(残念ながらカタログ落ちしてます)。SIGMAのマクロレンズは50ミリを使っていたこともあってなんとなく親しみがありました。もちろん描写も50ミリのきっちり撮れる印象が気に入っていたのも理由の一つです。
この150ミリMacroは70-200のズームと商品写真を撮り比べても優劣つけがたい描写です。正直2枚並べてどっちがマクロか70-200ズームか当てろと言われてもわからないと思います(私には)。望遠マクロをおすすめするのは、まず商品撮影のときパースがつきにくいことです。
細かいことが気になるようになると商品は望遠側で撮ったほうがそれらしく見えることにだんだん気づいてくるようになります。
もちろん迫力を出すために敢えて広角で撮ることもあるとは思いますが、おおむね望遠側が無難かと。後、焦点距離の短いレンズよりライティングの自由度が高いということ。マクロで撮るときは被写体とカメラの距離がくっつくんじゃないかくらい近くなるときがあります。
できるだけ被写体との距離がとれることで照明も仕込みやすく当てやすくなります。また、実際やったことはないんですが望遠マクロならF2.8の明るさを生かして背景のボケを活かしたモデルさんの撮影もできそうです。
ただしマクロレンズはオートフォーカスの遅いものが多いようで、動き回る被写体は苦手なのも頭に入れておきましょう。あと動物などを寄りで撮るときは逃げられにくいのも良いところですね。
望遠なので背景がふわっとボケてくれます。
標準と望遠のいいとこ取り?中望遠のマクロレンズ
中古で買った古いレンズです。フォーカスに至るまでほぼ手動ですが、マクロレンズを使うときはじっくりと撮ることが多いので、マニュアル操作と相性がよく、不便さは感じません。
マクロレンズでよく話題になっているのが100ミリ前後の中望遠マクロのようです。タムロンの90ミリが有名ですよね。この焦点距離のマクロレンズは持っていません、
かわりに等倍ではありませんがハーフマクロの85ミリのチルトシフトレンズが似たような感じだと思うのでこのレンズの使い勝手で話そうと思います。
テーブルフォトで使うのにはこのあたりの焦点距離が一番使いやすいかもしれません。寄って撮る場合は標準レンズでもいいのですが、引き画だと背景の天板が足りずに見切れやすくなります。
標準マクロで撮った鉛筆の写真と見比べると背景の範囲の違いがよくわかります。100ミリ位あればその心配も減るでしょう。パースについても標準ほど強くないので小さめの商品なら自然な感じで撮れそう。被写体との距離もちょうどいい感じで照明やレフも仕込みやすいと思います。
とはいえ望遠ほどの距離はとれないので光沢のあるものはカメラの映り込みに注意です。
手持ちでの撮影も、なれた人なら普通にこなせそうです。マクロレンズの中でも多分100ミリ前後が一番人気があるイメージなので使い勝手も良いレンズなのだと思います。
ちょっと驚いたのは、望遠マクロと比べて、撮影距離は半分くらいになったものの、背景のボケ具合や見た目はあまり変わりありませんでした。標準レンズと比べたときみたいにはっきりと差が出ると思ったのに意外でした。
まとめ。キットレンズの守備範囲の穴埋めならマクロレンズ。
カメラの使い方は人それぞれなので、すべての人に当てはまるわけではありませんが、手持ちのレンズがダブルズームレンズキットの人で、とりあえず風景写真や望遠側に不満がないのならマクロレンズはいい選択肢だと思います。
最初に買い足したのがマクロということもありますが、カエルはマクロレンズには良い印象しかなくて、しっかりきれいに撮れるレンズという感想です。シャープだしボケもきれいなので、今までキットレンズしか使っていない人は感動するかも、私がそうでしたから。
次に買うレンズ選びに迷っている方はぜひ検討してみてください。もちろん商品撮影をする方なら持っていて損はないレンズです。
追記
いくつか気づいたことがあったので追加の記事を入れました。今回初めて違うレンズで撮り比べをしてみました。シャッタースピードや感度、ホワイトバランスに至るまで条件をそろえて撮影したのに仕上がった画に明らかに違いがあるのは目からウロコでした。
マイクロフォーサーズのパナソニックはニコンに比べて寒色系のクールな描写だったり、同じニコンのD800で撮ってもSIGMAとニコンのレンズでも色味や描写に違いがあるんですね。後処理で色は合わせられそうではあるんですが。
メーカーによって個性というかチューニングに違いがあることに改めて気付かされました。カメラに詳しい方が本体やレンズについて熱く語っている意味が少し理解できた気がします。