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画像を投影して背景として撮影に使う方法は意外と昔からあって35ミリのスライドフィルムのイメージ写真をプロジェクターで白ホリの壁に映し、背景にして家具などの大きい商品を撮ったりしていました。
シーン撮影などでスタジオのセットにお金をかけられないときなど重宝する手法です。最近、画面の大きい液晶テレビが安くなってきたので、似たようなことができるんじゃないかと思いやってみました。
用意するもの
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液晶テレビはできるだけ大きいほうがセットしやすいです。テーブルは何でもいいんですが今回紹介するとり方だと、できれば光沢があって映り込み(ミラー反転)がきれいなものがいいです。
最近毎回のように登場しているステンレス板の大きなものがベストなんですが、手元にないのでスモークの透明アクリル板で撮ることにします。照明機材は色温度調整のできるLEDライト、Aputure Amaran 100xとトレペを用意しました。
テレビに映し出す映像はiPadに入れたものを使いたかったので接続用のコネクタとHDMIケーブルも今回は必要でした。iPhoneでも同様のことができるはずです。
液晶テレビは機種によって違いはあると思いますが、今回使うテレビはLG製有機ELの55型で、かなり色温度が高く青っぽいです。調整しても限界がありそうなので、ライトの方も色温度を微調整できるものにしました。
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テレビとiPadやiPhoneをワイヤレスで繋げられたらもっと良いんですけどね。
液晶テレビの明るさと商品の明るさを合わせる
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液晶テレビはテーブルよりも少し低い位置にセットします。そうすることでテーブルの映り込みと画面が馴染んで外で撮ってるみたいな感じが出しやすいです。
大体の位置関係がセットできたらテレビの明るさと商品の明るさを合わせていきます。これは実際に撮ってみて、馴染んでいるようなら大丈夫だと思います。
液晶テレビのの色合いは意外に青白いことが多いので暖色系に調整するといい感じになる可能性が高いです。
以前32型のシャープのアクオスで同じような撮影をやったとき(ライトはGodox SL60で色温度は5600K)にはテレビ側の調整でかなりいいところまで持っていけたのでテレビの機種によってかなり変わってくると思います。
液晶パネルにライトやレフが写り込まないように注意する
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商品とアングルを合わせた背景にするともっとロケっぽい雰囲気がでるんですが、間に合わせの写真を使ったのでちょっと伝わりにくかったかも知れません。レースのカーテンや、スダレなどを小道具につかっても良い感じになります。(以前やったことがあります)
特に最近の液晶テレビは画面がテカテカしたのが多いみたいで結構映り込みが気になります。撮影用にはマットな画面のほうがいいんですけどね。
特にメインのライトが映り込みやすいので注意しましょう。黒ボードなどで漏れた光をカットします。どうしてもうまくいかないときはテレビ自体の角度を少し逃してやるといいです。
真正面でなくても意外と違和感はないと思います。この撮り方のいいところは背景を自由に変えられること、それから商品の光沢や透き通ったところに背景が映ってよく馴染むところです。
テレビ画面を撮影しているのでどうしても色は悪くなってしまいます。フォトショップでも同じようなことはできそうですけど、映り込みや透過の感じを再現するのに苦労しそうです。
商品部分だけ使って背景の画像をきれいなものに再度合成するとかなりいい線まで行けそうな気がします。
背景の画を変えてみる
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背景を変えて撮ってみました。明るさを前もって調整しているのでどれも自然な感じで仕上がっています.角版カットで使うくらいなら上々だと思います。
iPadで画像を変えるだけで違う背景に変えたりちょっと拡大して使いやすい位置にずらしたりできるし、背景を差し替えると雰囲気がガラリと変わるので結構面白いですよ。
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一旦ライトの明るさが決まると写真が変わっても大抵は違和感なく馴染むので楽ちんです。
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まとめ、発色の悪さは覚悟しよう。じっくり気楽に撮れるのがメリット。
ペットボトルみたいな小物でもいざ外で撮影となると意外と大変です。気に入った風景で撮ろうとして「ここだ!」と思った位置ではセットが難しかったり、いろいろ制約が出てくるものです。
この方法なら、時間を気にせずにじっくりと一人でも撮れます。液晶テレビを使うわけですから当然現場の色合いや空気感のようには仕上がらない代わりに例えば背景をモノトーンにしたり、思い切って色調を変えたり、イラストを背景にしたりなどロケではありえない演出も可能です。
カエル的にはそういう使い方のほうがおすすめかなと思います。ちなみにプロジェクターを使って同じような写真を撮ったこともありますが、プロジェクターはテレビを使うよりも場所をとるし明るさの設定がやや難しかったです。
追記、You Tube動画を作ってみました
ブログの記事の素材を利用してYou Tube動画の編集をやってみました。使っているMacが古いのでファイナルカットプロX(Ver10.4.6)の古いバージョンです。
ここ何年も動画編集をやってなかったので、使い方を忘れてしまって、ファイルがどこに収まっているのかもわからない始末でした。
編集アプリなどは一度憶えたら、時々少しでも使う機会を作ったほうが良いみたいです。しゃべりも入ってないムービーですが、よかったら見てください。