※当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています。

【普段の撮影でも役に立つ】広告写真の視点から見た被写体(主役)と背景(脇役)を分離させる方法。

最近のカエルは基本に戻って、そもそも写真を撮るという行為で大切な考え方とは何かを探っていく実験的な記事を書いています。

前回は光の当て方をテーマにしましたが今日は、写真の主役となる被写体を目立たせるためには、どうすれば良いのかを、いくつかの切り口に分けて、言語化していきたいと思います。

カエルは社会人になってから今まで広告業界に携わってきたので、どちらかというと広告写真寄りの解説になるかも知れません。

とはいえ、普段の趣味の撮影や、ネットに出品するときにも役立つと思うので、しばらくお付き合いください。

広告などに代表される、人に伝わる写真とは被写体を効果的に際立たせ背景と切り分ける作業と、ほぼ同じ意味なのでは?

一部の例外(複写、素材写真など)を除いて、写真には被写体と背景がありますよね。

特に広告の場合、消費者の興味を引くためには、目に入った瞬間に写真の意図を伝えなければなりません。

見る人にわかりやすく伝えるためには、被写体(主役)と背景(脇役)をできるだけ、ハッキリと切り分けることが大切になります。

カエルの今までの経験の中で、意識的、無意識的にやってきた被写体を強調する方法をいくつかリストアップしてみました。

こうしてリストにしてみると、背景を整理してシンプルにすることの重要性が浮き彫りになってきますね。

●フォーカス(ピント)で分離する。

●明暗差で分離する

●色で分離する

●.被写体のエッジを際立たせ、背景と分離する

フォーカスで分離する。背景ぼかし、流し撮りなど。

カエル
カエル

高級レンズではなくこの写真は、マイクロフォーサーズの安いレンズです☺️単焦点でF値2.8くらいは欲しいところですね。

被写体と背景の分離の代表といえば、レンズの被写界深度よる背景ぼかしですよね。若干意味は違いますが、流し撮りなどもこの分類に入りそうです。

みんな大好き高級レンズのボケ味です。人物撮影の解説では、瞳にフォーカスがきていればOKと言われていますよね。

趣味やアート表現の場合はそれで良いのですが広告写真だと、そうも行かない場合があります。

例えばアパレルだと本当の主役は服の方だったりするので、あまりにもフォーカスが浅いとNGをもらうこともあります。

広告として使う場合にはある程度絞り込んでモデル全体にピントが来るようにすることが結構あります。これは万が一フォーカスが外れていた場合の保険にもなります。

両方撮っておくといいかもしれませんね。

どうしてもボケを強調したいなら背景(風景)を離してボケを稼ぐなどの工夫が必要になると憶えておくと良いでしょう。

カエル
カエル

ボケ味の美しさばかりに気を取られないように注意。

明暗差で分離する

背景を白っぽく淡い色に飛ばしたり、逆に明度を下げて、暗い背景にすることで被写体(主役)を目立たせる表現です。極端な例が白バックで飛ばしたり、黒背景にしたりということになります。

これも広告写真ではよく使われる表現だと思います。

背景に影響されて輪郭部分が溶け込んで曖昧になることがあるので、白や黒のフラッグなどで、輪郭を強調したりします。

カエル
カエル

直射日光をスタジオのライトだと思えば、考え方は同じです。

色で分離する。

店頭ポップなどに代表される、強力な商品訴求の文法みたいな表現です。

典型的な例は黄色や、赤などの彩度の高い背景を使って商品写真やポスター自体に視点誘導させます。小売店の店頭に行けば必ず見つかると言ってもいいでしょう。

強烈な表現なので高級・高額なものに使うのにはあまり適していません。

もし使いたければ、例えば彩度や明度を落として落ち着いた雰囲気が出るように工夫したりするとうまくいくでしょう。

被写体のエッジを際立たせ、背景と分離する。

これも割と頻繁に使われる手法です。被写体(主役)と背景(脇役)の色味や明るさが似通っていると、どうしても馴染んでしまい主役が引き立ちません。

こんなときは被写体の斜め後ろあたりからライトを打って輪郭を際立たせたりします。

例えばちょっと冒険して黒バックに黒いボトルを配置して半逆光でエッジを強調した、印象的なビジュアル表現みたいな感じにも使えます。

あまり頻度はないと思いますが、白いバックに白い商品という逆パターンもあります。

この場合は商品を黒レフなどを使ってエッジを締めたり、背景の明度を微妙に調整して、白い世界を演出する感じだと思います。

白い被写体に白い背景はキマると、とてもカッコよくなりますが、光の調節に結構苦労します。

番外被写体の強力な分離方法、切り抜き写真

広告でよく使われる、被写体と背景の分離方法として切り抜き写真があります。

切り抜き写真は撮影後に加工が必要なので、実際は前章の4つとは別モノですが、広告を始めいろんな現場で使われるので別枠にしました。

切り抜き写真にするメリットは単純に背景差し替えが便利だからというのもありますが、別の理由もあります。

それは例えば白い背景で写真を撮ると背景の白が商品にかぶって、くっきりと仕上がらないからです。

そこでカメラマンは切り抜き写真用に商品のギリギリ近くまで、白や黒のレフなどを使い商品本来のディテールや質感を表現していきます。

そうすることで白背景で単純に撮影するよりきれいな仕上がりになります。

これは先程話題にした色で分離する場合でも同様のことが言えます。色付きの背景を使うとどうしても背景色が被写体の色にかぶってしまいます。

しかし商品の存在感や空気感は、背景付きで撮ったほうが上です。

背景込みの角版写真で立体感や空気感をとるか、切り抜き写真で商品の発色やディテールの忠実さをとるかは、最終目的が何かによって変わってきます。

カエル
カエル

切り抜きだと、このくらいエッジが締まっていれば合格ライン

切り抜きといえば、白い背景に透明フィルムに入った商品を載せるのって意外と撮影に苦労したりします。参考になれば、うれしいです。

まとめ

今日の記事は、前回のキーライト(主光源)の当て方の記事と若干カブる部分もあったかも知れませんね。

今回紹介した被写体と背景を分離する考え方は広告用の写真を撮る以外でも、応用できる考え方なので憶えておいて損はないと思います。

個別に使うというよりは、組み合わせてバリエーションを作っていく感じですね。

今まで自分で無意識にやってきた撮影方法に意外な意図があったりして、ちょっと面白いです。

ネタが尽きてきたと言うのもあるんですが、今年に入ってライティングの方法や機材の紹介記事とは違う、「写真とは」みたいな、言語化実験の記事も書いています。

どうしても漠然とした記事になってしまうので構成には苦労しますが、自分の脳内整理だと思って、しばらく写真での自分探しを続けてみたいと思います。

カエル

カエルです。名前は「かんたんライティング」の頭文字Ka.L.からとりました。本業はグラフィックデザイナーで必要なときに商品写真やイメージ素材写真を撮ることがあります。カエルがデザイナー目線で調べたり工夫したり、試してみたいことなど写真撮影の小ネタを紹介できたらと思っています。アイデアが写真の完成度を上げられますように。

カエルをフォローする
お役立ち情報
シェアする
カエルをフォローする