
特にロケなどの屋外撮影のとき、僕たちは必要なカットとは別に、サイズや構図を変えた予備のカット(エキストラカット)を撮ることがありますよね。
これは後になって、もう少しアングルの違う写真が欲しかったなど、後悔しないための保険になります。
今日はそれに加えて、必要なカットを撮り終えた後に、現場を360度撮影しておく、「撮影現場の三面図データ化」について考えてみたいと思います。
最高のロケ地で完璧な1枚が撮れた!でも帰宅後、PC画面を見て『ああ、もう少し右からのアングルも撮っておけば…』みたいな後悔をしたことはありませんか?
今までは諦めるしかありませんでしたが、近い将来、それをAIが救ってくれるかもしれません。
そのための準備、始めてみませんか?
これって多分、画像生成AI技術がワンステップ上がった近未来にAIを楽しめる、必ず役に立つ実用的な習慣になると思うんです。
画像生成AIは3D認識を学び始めている。作品撮影後、現場の写真を撮っておくだけで…。


キャラクターで三面図はあたりまえですが、ロケ現場の環境も撮っておくといいみたいです。
この記事を書こうと思ったきっかけは、最近のAI画像をネットで見ていて人物の画像のアングルや撮影方向をAIが巧みに変えて出力しているのをみたから。
これはたぶんAIが3Dで空間認識しているのかなと思いました。実際AIにキャラクターを作ってもらうときに、予め三面図的なものをサンプルで渡している人もすでにいるようです。
そうだとしたら僕たちが写真や動画を撮って作品作りをするついでに、現場の様子を三面図のように撮影しておけば、将来AIで画像生成するときに役立つのではと思いGoogle Geminiに聞いてみました。

3D空間認識技術(NeRF/Gaussian Splatting)との合致: 今、AI業界では、複数の2D写真からリアルな3D空間を再構築する技術(NeRFやGaussian Splattingなど)が急速に進化しています。あなたの提案する「正面・横・後ろからの精細な写真」は、まさにこの技術が最も必要とするデータそのものです。
という回答が返ってきました。これは予想的中のようです。
覚えておくと未来が見える技術:「NeRF」と「Gaussian Splatting」
AIが「光の記憶」から空間を再現する技術 複数の写真から、「その空間で光がどう進んでいたか」をAIが学習します。すると、AIの脳内にその場所が再現され、実際には撮影していない「新しい角度からの写真」を自由に作り出せるようになります。まるでAIがその場所の「記憶」を持つようなイメージです。
3Dの「点描画」で空間を超速再現 これはもっと新しい技術です。空間を数百万個の「色のついたフワフワした粒(3Dの点)」で表現します。写真からその粒の位置と色を特定し、一瞬で3D空間を再構築します。まるで「立体的な点描画」のようなものです。非常に高速なのが特徴です。
どちらの技術も、元となるのは「色々な角度から撮った大量の写真(2Dデータ)」です。だからこそ、現場で「三面図データ」を撮っておくことが、未来の最強の素材になるわけです。
なぜ現場の写真を撮っておく「撮影現場の三面図データ化」が役に立つのか?
1.近未来の画像生成を楽しむための準備になる。
現状、カエルを含め大多数の人たちは、1枚の写真を膨らませて写真を加工することに躍起にになっています。
でも近い将来高確率で、現場のサブデータをAIに学習させて、精度を上げる時代が来ます。
そのときに備えて自分だけのデータを貯めておくことができます。
2.「NeRF」や「Gaussian Splatting」の急速な進歩
前段の内容と重なりますが、すでに写真から3D空間を作る技術が実用化されつつあり「これは未来の3D素材を撮っているのと同じです」とAI自身が認めています。
さらにAIは「見えていない部分」を描くのが苦手。想像で描くと破綻しやすいということも認めているので、なおさら有効だと思います。
3.現場撮影の価値を見直すきっかけになる。
屋外でのロケ撮影は、天候、時間、光や背景が一期一会の一瞬です。
その貴重な瞬間を、単なる「作品一枚」で終わらせず、「空間データ」として持ち帰るという発想は、撮影現場の価値を大きく高めます。
未来のことを考えると、たとえ最高の一枚を発表、発信してもAIですぐに似たような作品が生成されることもありえます。
そんなときでも予測で生成された画像より、位置データを持っている作者が再生成した作品のほうが、数倍リアリティーがあるはず。
コスプレイヤー、ポートレートカメラマン…いろんな場面で色んな人に有効。


背後からでも、死角ができないよう数枚撮るといいらしいです。
この「撮影現場の三面図データ化」は将来色んな人に役立つと思います。もしかしたらほぼすべての人に有益かもしれません。例えば
コスプレイヤー・ポートレートカメラマン
せっかくロケ地に行ったのに「別アングルの写真が足りない」と後悔したことがある人。生成AI で緊急回避的に足りない写真(画像)を生成できるかもしれません。
動画クリエイター
スチールカメラマン同様、つなぎのための短いインサートカットが生成できる。
趣味、フィギュアやドール、ガジェットの撮影者
自分の愛用品(車、ガジェットなど)をデジタル空間で自由に動かしたい人。
新しい技術に敏感なクリエイター

将来的に3Dやメタバース的な表現にも興味がある人。などなど
「撮影現場の三面図データ化」のコツ
実際に撮影現場をデータとしてとっておく際に気をつけたいポイントをGeminiが教えてくれました。
メインの被写体
作品としてのベストショットを撮った後、そのまま動かずに「正面」「真横(左右)」「真後ろ」を撮影する。可能なら「少し上から」「下から」も。
ディテール(精細な写真)

AIが質感の再現に迷わないよう、衣装の柄、小物の質感、肌のテクスチャなどのアップを撮っておく。
環境(背景)

被写体がいない状態の背景だけの写真も撮っておく(AIで人物を消したり、背景を広げたりする時に超重要)
パンフォーカス(絞り込んで)撮影する
雰囲気作りのボケやブラーは、データとしては逆効果です。一眼カメラならF8-16くらいに絞り込んで撮影します。精細な情報が何より大切。
こういった写真をデータとして残しておけば将来的に、アングルの変更、背景の差し替えはもちろん被写体がグルっと回る高品質な動画も生成できる可能性があります。
また写真をもとに3Dアセットを作成しVR空間に配置するなども可能です。
まとめ
現状の生成AIでは、まだ実用まで行っていないようですが、近い将来必ず、この流れはやってくるでしょう。
今のうちに「とりあえず撮っておく」ことが大切だと思います。
本文中でも触れましたが、いい作品ほど、真似される可能性が高いので、オリジナル作品の位置データを自分で持っておくことは、生成AI を使って自身で再生成するときの大きなメリットです。
これは現場に足を運んでデータを取った人だけの貴重なオリジナルの情報ですから。

